2021.07.05

読書会の読書感想(7/3,4)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。7月3日(土)は7名、4日(日)は8名の参加でした(主催者含む)。


7月3日:読みたい本を気ままに読む読書会

yukariさん『源氏物語』
 角田光代さん訳の下巻。竹川、橋姫の途中まで読みました。
 薫や冷泉院が、宇治の八の宮に阿闍梨を通して興味をもったところが印象に残りました。どんな地位にいても他人の珍しげなところが気になるのだなぁ。と。
 他の参加者の方が反教育論で、ピアノを習うことは親の欲をおしつけていて、子供は押しつけを学ぶというのが印象に残りました。

はらさん「日本的霊性」(鈴木大拙)
 
他の方が紹介された、ラッセル「哲学入門」が気になりました。

よしだ『華氏451度』
 この本は前に別の方が読んでいて、おもしろそうで気になっていました。本を見つけたら燃やさなければいけない法律がある架空世界を描いたもので、本が遠ざけられている現代にも近いのかなと思ったのですが、その背景としては「さまざまな意見をもつこと」を禁止するようなことを想定しているようでした。本ではみな違うことを考えて記しているからです。
 1953年にアメリカの作家によって出された本だったようで、その社会背景との関連も気になっています。経済でも戦争でも、アメリカが一様に強くなりすぎて、それ以外を肯定することが難しくなった社会に、少し違和感をもっていたのかななどと今のところは想像しています。

7月4日:テーマのある読書会「話すこと」

Yukikoさん『超一流の雑談力』
 テーマが「話す」で選んだ本です。

 ビル・ゲイツが内向的だけどスピーチをさせるとちゃんと上手に話せるというのは、場数と社会的地位や知性を言葉で表せる練習を日々していたのかなと思いました。

yukariさん『日の名残り』
 話すことがテーマでした。
 自分と遠いイギリスの執事の話をどう読めるのかと思い選びました。旅の二日目から三日目を読みました。まえ、誰に仕えていたのを誤魔化すのはそういうわけだったのかと。
 慣れないユーモアや冗談を仕事のために練習している姿は好感がもてました。

 話すこと=真実でないかもしれないけれど裏の意味を知ることや上手く伝えるのは難しいことだと思いました。

原有輝さん『日本的霊性』(鈴木大拙)
 他の方の、別の言葉で、が興味深いですね。

よしだ『コンピューターは人のように話せるか?』
 この本は、「話すこと」テーマの読書会に合わせて選んだ本です。たぶん僕らは、文章をただ読み上げているような話し方はしていないはずです。感情によって声の高低や話す速さが変わったり、文法的に成立していないことで逆に通じなやすくなったり、話すことの中に人間らしさのようなものが込められているような気がします。そんなことがコンピューターとの比較の中で改めて見えてくるのではないかと思いました。
 この本は、「話すこと・聞くことの科学」と副題がついており、今回読んだところでは、聞くことがメインで、耳の構造について熱く語られていました。耳か…と思いながら読んでいたのですが、著者の熱量(?)に押されて、耳の精巧なつくりに感動しました。

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 来週は、主催者の都合により読書会はお休みします。再来週も土曜日のみの開催予定です。それ以降はいつも通り土日ともに開催していく予定ですので、予定をみて来ていただければと思っています。
 「話すこと」読書会は、身近な行為なだけに、いくらでも広がりがありそうです。日頃を振り返ったり、話し言葉の歴史を追ってみたり、他の文化圏との比較をしてみたり、あるいは少しマニアックに他の動物(の鳴き声)との比較をしてみたり、いろんな面から楽しんでいければと思っています。


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 過去の読書感想はこちらに載せています。

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 読書会の形式や様子はこちらに載せています。

(吉田)

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