2021.09.21

読書会の読書感想(9/19)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。9月19日(日)は15名の参加でした(主催者含む)。
 「質問「   」について考える時間」での質問は「二十年後の今日何をしていると思いますか」でした。こちらは10名の参加でした(同じく主催者含む)。

9月19日:読みたい本を気ままに読む読書会

小澤さん『戦略の世界史』

戦略を世界史にしたというより、世界で起きた歴史的な事件などをベースに戦略を語った本。細かいところは読み切れておらず、ざっと全体を読んだのみにはなりますが、クラセヴィッツや政治的な革命運動、経営戦略など政治から経営まで幅広い分野を対象としています。

本書内で戦略という言葉に厳密な定義があるわけではないようですが、まえがきには以下の記載がありました。
 ・計画は次から次へと変化しても自信をもって行動できるような一連の出来事
 ・戦略は自分とは異なる、相容れない可能性もある利害や関心をもつ他者が、自分のプランを妨げかねない場合に必要としている。

個人的にはまえがきに書いてある言葉の引用に戦略に対する示唆を受けました。後半には「合理的な戦略の限界」などの章もあり、他者からパンチを受けることが戦略というものは前提で、複雑で簡単に纏められるものではないのだと思いました。

  誰にでも計画(プラン)はある。顔面にパンチを食らうまでは。 -マイク・タイソン-

つやまさん『NHK「100分de名著」ブックス ダーウィン 種の起源: 未来へつづく進化論』長谷川 眞理子
 ダーウィンが唱えた進化論は、突然変異によって生物の形質に多様性が生まれ、その中で環境に適応できたものが生き残るという自然淘汰のはたらきで生物の進化が起こるというもの。その結果はあくまで偶然によるもので、何らかの意図や優劣によるものではない。ところが、進化論は弱肉強食の理論だと誤解されがちであり、歴史的にもナチスドイツの優生思想や、資本主義の過剰な格差などを正当化するのに用いられることもあった。これらは一面的な見方で人間の優劣を決めつけるもので、もっと広い視野で多様性を捉えるダーウィンの進化論とはまったく異なっている。私としては、いずれにしても人間を含む生物の生存競争には残酷な面があることは確かだと思いました。
 また進化の過程で人間が獲得した本性とは、『基本的に雑食で、適度の運動と娯楽を必要とし、共同作業によって生計を立て、公正・平等をよしとし、好奇心が強く、密接なコミュニケーションをとり、共同で子育てをする社会的な生き物』だそうで、これが満たされると幸せを感じられるとのことですが、本当でしょうか(笑)
 読書会では、異性の声と魅力の話や、意識と無意識の不思議の話などで盛り上がり、楽しかったです。
 ちょうど今日読んだ部分が掲載されていたので、リンクを貼っておきます。
https://textview.jp/post/culture/21642

原有輝さん『自分史の書き方』
 自分史は、一生に一度は挑戦して欲しいジャンルだそうです。本人の記憶の整理になるし、身近な人にも手掛かりになる。手順としては、身近な詳しい親戚に聴くこと、自分史年表を作成すること、アルバムを見ることのようです。自分史を現代史の中に位置付けることが大事らしい。

よしだ『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子著
 ようやく終盤、日中戦争や太平洋戦争まできました。しかし太平洋戦争に入ったと思ったら残りが薄いので開戦までで終わり?
 印象的だったのは、蒋介石は日中戦争で日本に攻められているとき、チャーチルは第二次対戦でドイツに攻められているとき、静観していたアメリカに、自分たちが日本・ドイツに敗けたらこんなデメリットがあるとか、アメリカには協力する責任があるとか、アメリカに対して言ったということでした。「自分たちが敗けたらどうするの?困るでしょ!?」と言っているようにも受け取れて、政治家の力というか豪胆さはすごいと思いました。歴史の大きな流れの中で一人の人間の力など影響することはないに等しいと思ったりもするのですが、こういうエピソードを知ると「いや、あの人がいなければ」と考えてみたくなります。歴史のたら・れば。


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(吉田)

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