参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。25日(水/午前)は6名、27日(金/夜)は5名、28日(土/午前)は3名、29日(日/午前)は8名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
カタツムリの渦は右巻きですか左巻きですか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
でした。
10月25日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』中山元著
労働の本なのに今日はなぜか意識の話でした。
正しく理解できたのか分かりませんが、最初はただ漠然ともっている意識が、あるとき揺らぐ。その揺らぐというのは、あるものに意識を向け認識はするのだけれど、その認識の対象は不確かなものであると気づいたときに揺らぐということです。例えば、昔あった出来事を久々に会った人と思い出話として話したら、その人はそんなことはなかったと言う。するとそれまで私のなかにあった現実は一気に揺らぎます。ですので、確かにあることは私が意識した対象ではなく、私の意識そのものであるということになります。これを「自己意識」と表現されていました。
自己意識から承認の話に移ります。私に自己意識があるということは相手にも自己意識があるということになります。そして自己意識というのは対象物を正確に捉えたものではなく、確かにあるのはあくまでも自己意識です。となると、仮に自分がどんなに優れた人間であると自認していたりこれまで評価されてきたとしても、相手の自己意識としてどう捉えられるかは分かりません。そこで相手の自己意識のなかにおいても優れた人間であると認めてもらおうとする欲求が働きます。これが承認の欲求であると説明されていました(たぶん)。そしてその願いが叶わなかったときにそんな相手はないものにしてやろうなどという攻撃性に発展するということも。
ここからどのように労働に結びついていくのかは分かりませんが、その承認の欲求が労働意欲に結びついていくのではないかと勝手に予想しています。もっととんでもない展開になることもひそかに期待しながら。
10月27日(金/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『エマ』ジェイン・オースティン
19世紀のイギリスが舞台。上下巻あり、ちくま文庫で上の途中くらいを読んでいます。21歳の美人のお嬢様エマが周りの人々をキューピットとして結びつけようとしている。反対も。それって本人たちにとってどうなのかなあ、と。そして主人公はそれを全く望んでいない。読んでいて気持ちのすれ違い?にハラハラしました。主人公の階級ってどれくらいだったのだろう?参加者から質問が来ました。
10月28日(土/午前):読書のもやもやについて話す時間
「人が生きること・自分が生きていくことに、意味を見つけられているだろうか、もしかしたらそもそも意味なんてないんじゃないだろうか」「生きづらさをどのように感じているか」といった問いをめぐって、ずっと話が続きました。
過去のテーマや感想はこちらです。
10月29日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『エマ』ジェイン・オースティン
今日読んだところは、エマの姉が里帰りして、近隣の家族を訪問している場面でした。前回は、里帰りせずに家族で海に行ったことをクドクドと攻めていました。
他の方は、古井由吉さんのエッセイを読んでありました。小説の構成はものすごく単調でエッセイ風の中にさりげなく第三者的な視線が味わいが深いそうです。わかるとは思えないけれど興味がわきました。日常に目を向けると人間とは何か、世界はどんなふうになっているのか、という意見もありました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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