リベルの読書会では、もくもくと読書をした後に、感想を話す時間をとっています。どのような時間なのか、少しだけ紹介したいと思います。
感想を話すのは、読書をしたすぐ後です。ですので、まとまっていないのがあたりまえ、という前提でやっています。そしてそのまとまっていない感じが案外いいのかもしれません。臨場感のようなものがあるからです。読んでみて印象に残っていること、わからなかったこと、全然関係ないことを考えてしまっていたことなどを自由に話してもらうと、なんだか興味をもって聞けるのです。
そして、そんな風に聞いた話は、けっこう記憶に残ります。話された本を読みたいと思うこともありますし、キーワードとして頭に残ることもあります。たとえば、先日の読書会では「ハンニバル」について読んでいた人がいました。ハンニバルは、戦術・戦略の天才だったそうです。しかし、読書会中ではハンニバルのどんなところが天才的だったのかまでは、読み進めるに至らなかったようでした。それでも、ハンニバルが戦術・戦略の天才と刻まれたので、なにかそういうことに興味が湧いたときに真っ先に頭に浮かぶような気がしています。あるいは、「ハンニバルの何が天才的だったのか」という結論を聞けなかったことが、より強い関心を抱かせてくれたのでしょうか。いずれにしても、そこでしか聞けない話であり、記憶に残りやすいように感じています。
聞く方は聞いていておもしろい、では話す方は何のために話すのでしょうか。
私もいつも参加者として話していますが、話す時間は、読んだことの振り返りになると感じています。自分が何におもしろいと感じたのか、興味をもったのか、逆に何が分からなかったのか、あるいは共感できなかったのかが、話すことで分かっていきます。読書を続けていく上での自分なりの着目点を見つけたり、新たな興味を見つけたりすることにつながっているのではないかと思います。
無理にまとめようとしたり、結論をひねり出したりする必要はないと思っています。まとめようとしすぎてしまうと、そのまとめた言葉のまま記憶として固定化されてしまうこともあるようです。もしかしたら、広がっていた想像が、まとめようとしすぎることで少し小さくなってしまうこともあるのかもしれません。ひとまずは、印象に残ったことや分からなかったことなどを、そのまま話せればいいのかなと思っています。話しながら自分で気づくこともあると思いますし、自分のために話すような感覚でいいのではないかと思っています。
たまたま持ち寄られた本の、たまたまそこに居合わせた人たちの話が、ただただ行き交う時間です。そして読書後のおよそ30分くらいのそんな時間を過ごした後は、解散です。午前中の読書会なので、そのままお昼に向かう人が多いことでしょう。
〈読書会について〉
本を読んだり、なにか考えごとをしたり、ゆっくりと使える時間になればと思っています。ほぼ毎週末の朝10時から開いている、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会です。事前申込はあまり求めていませんので、気が向いたときに来てください。日程は、FacebookページかPeatixをご確認ください。
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(吉田)