日々が目まぐるしく変化していても、変わらないものや、時を越えて参考にできるものはあるはずです。リベルは、そのような普遍性を生物学や歴史学、社会学などに求めています。普段とは異なる世界に身を置いてみて、そちらから普段の私たちの世界を考えてみるという感覚です。それによって、普段とは異なる視点やものの見方が得られ、発想の広がりや課題解決の糸口が見つかるのではないかと考えています。そして、そのような少しの前進の連なりが、長い人生を快活で充実したものに導いてくれると考えています。
リベルは2019年9月にスタートし、様々な先生の協力のもと、16冊のブックレットをリリースすることができました。今回はその中から5冊を紹介させてください。今の情況も考慮して選書させていただきました。
ブックレットは、通常の本と比べると10分の1ほどの文量ですが、それでも30分から1時間は読書に要します。また、あまり馴染みのない分野で難しいと感じるかもしれません。ただ、なるべく前提知識がなくても読み進められるように、また現代を生きる私たちの仕事や人生とつながるようにテーマ設定をして作成していますので、どうか手にとってみてください。
今、何かを起こそうとしている方へ
大きな志やビジョンを抱くほどに、自分の力の小ささを感じることがあるのではないでしょうか。そんな課題の解決の糸口を、「サンゴ」に求めてみました。南の海にいる、あのサンゴです。サンゴは、個体はせいぜい1cm程度であり、しかも生息する南の海は食料が決して豊富ではありません。そのような小さなサンゴが厳しい環境で、どのようにして豊かなサンゴ礁の世界を築き上げているのでしょうか。そこには、決して一人の力だけでは生きようとしないサンゴの姿を見ることができました。
『サンゴの選択 〜小さな力で一つの世界を創る方法〜』
環境変化を前提に、長い目線でそこへたどりつく方法を考えたい方へ
「戦略とは戦いを避けながら目的地へたどりつく道筋だ」などと言われても、実際にどういう切り口で考え始めればいいのか分かりませんでした。しかも現代は変化の激しい時代と言われ、今この時点でも世界は激動しています。せっかく戦略を立てて地道に進んでいても、世界が変わってしまえば無駄になってしまうことがあるのではないかと、いぶかしくも思ってしまうのです。そこで、人間や企業の寿命よりも遥かに長く、激烈な環境を生き抜いてきた生物の歴史から、生存戦略の考え方を学ぶことにしました。
『変化を生きる生物 〜長期戦略のベースコンセプトを考える〜』
(配信停止中)
社会が変わる節目を想像したい方へ
「世の中が変わる」とはよく使われる言葉ですが、それは何が変わることを意味するのでしょうか。人類はこれまで様々な大きな社会変化を経験してきています。その中でも狩猟採集型社会から農耕型社会への変化は、一つの大きな節目であると言えます。なぜなら、自然が共に生きる対象から支配する対象へ変わり、人々が組織化され序列も生まれていったからです。そのような大きな節目の時代に、どのような変化が起きていたのか、そして社会が変わるとは何が変わることなのか、学び考えてみました。
『縄文から弥生への社会変革 〜社会が変わるとは何が変わることなのか、その一事例として〜』
(配信停止中)
デザインや美の力を信じている方へ
「便利」という感動に比べて「美しい」という感動は、あまり定量的に表すことができません。しかし、「美しさ」は私たちの心を動かし行動を誘発し、人生を彩ります。このブックレットでは、旧石器時代から縄文、弥生、古墳時代と、古代のモノに施されてきたデザインを概観し、その変遷がなぜ起きたのかに迫っています。それによって、「美しい」とはどういうことを言うのだろうか、デザインや美とはどのような役割を果たしてきたのだろうかということを考えてみています。
『古代人の内面とデザイン 〜人間の心を動かしてきたもの〜』
(配信停止中)
コミュニティを作っている方や、そこで生活している方へ
ここで言うコミュニティとは、地域やSNSなどだけではなく、会社などの機能的組織も含めています。つまり、現代を生きるすべての方々へ、ということになります。現代はストレス社会と言われますが、その原因を進化の歴史から考えているブックレットです。私たちの遺伝的性質である心は人類の進化環境に適応する形で備わってきました。しかし、その進化環境と現代の複雑化した社会環境の違いが、私たちの心にストレスや混乱を生み出しているのです。ストレス社会の背景を知ることで、コミュニティの作り方や、個々の生き方を考えるきっかけになればと思っています。やすらぎを生み出すことは、社会の活力を生み出すことにつながると、信じています。
『未進化な心の混乱 〜現代のコミュニティ生活のあり方を考える〜』
リベルには、他にも様々なテーマのブックレットを12冊配置しています。どうぞお時間があるときにでも手にとってみてください。
(吉田)