2020.10.12

読書会の話。弱さは核になる?

 一昨日は読みたい本を気ままに読む読書会、昨日はリベルのブックレットのテーマを考える読書会でした。ここでは昨日の話を少しだけ。

 昨日は、次のブックレットのテーマを「弱さ」を種にして考えてみたい、その考える過程を一緒にできないかと思い立っての読書会でした。参考図書を『〈弱いロボット〉の思考』としていますが、「弱さ」に関連する本であれば他の本を持ってきていただいても大丈夫としました。読書会の形式はいつもと同じで、最初に本にまつわる関心事をシェアし、もくもくと読書をし、感想やおもしろかったところをシェアするという流れです。

 弱さをテーマの種にすると言っても、「人間は弱い生き物だ」などということを掘り下げたいわけではありません。これまでいくつかの考えに触れる中で、弱さとは強さにはない力を持っているのではないかと感じていました。そこで、人間や社会における弱さについて認識を深めておくことで、よりよい生き方につながればいいなと、漠然とそんなことを考えていました。
 今のところ、『〈弱いロボット〉の思考』を読む限りは、弱さとは不完全さのことであり、不完全であるからこそ人同士の協力活動が生まれるのではないかと解釈し始めています。もちろん、ここでいう弱さの定義は、参考図書の中に限ったものになります。

 読書会に参加いただいた方からは、まさに弱さが協力活動を促したり、共同体のまとまりを生み出したりするということが表された話題を提供していただきました。思想家の内田樹氏が言う、七人の侍にまつわる話です。その話とは、こういうものです。

 七人の侍の中には、一人だけ他の六人に比べて弱い侍がいる。六人の侍はみな強くて、意見も食い違い、なかなか団結に至らない。しかし、一人の弱い侍を育て生かそうとするところだけは一致しており、その点で六人は協力していく。
 つまり、物理的な強さの源泉は強い六人かもしれないが、チームや共同体の団結による強さの源泉は弱い一人の侍ということになる。

 思い当たることは身の回りにもあるのではないでしょうか。
 例えば会社でも、新しい人が入ってくると、周りがそわそわして世話焼きになり、飲み会に行ってもその話題がのぼって、協調的な雰囲気になることがあります。会社だけではなく、学校で新入生が入ってくるとか、子どもが生まれるとか、社会というのは自分よりも弱い存在が入ってくることで常に維持されているのではないかと考えさせられます。
 弱い存在が、まとまりの核になったり、統合の軸になったりするようなのです。

 内田氏のブログでは、「現時点での利便性」だけを追求するような集団のあり方では、共同体は維持できないとされており、この点も興味深かったです。

・もしよければ、内田氏のブログを覗いてみてください。
・また昨日の参加者に投稿いただいた読書の感想はこちらに載せています。

 社会で機能する弱さという力について掘り下げられるようなブックレットにしていきたいと思っています。弱さが強さ!?みたいな意外な盲点的な話は、個人的にはとても好みです。


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(吉田)

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