2020.10.19

読書会の話。「不便」から考えたいい生活・いい社会

 昨日はリベルのブックレット『不便視点 〜益が見つかるもう一つの方向〜』を使った読書会でした。参加いただいた方と話しながら考えたことを、少しだけ振り返りたいと思います。

 このブックレットでは、不便だからこそ得られる益=不便益を紹介しながら、不便や便利の意味や価値について考えてみています。普段は、便利=益、不便=害というのが意識されるところだと思いますが、便利=害、不便=益になることもあるということに気づいていくような内容になっています。

 読書会では、「益って何なんだろうね」というようなことが話題の中心だったような気がしています。

 忙しい時は、手間が省ける便利がもちろん益になる。でも手間がかからないことばかりだと、達成感や協力して何かを成し遂げるような共生感も得られなくなる。では手間をかけて達成感や共生感を味わおうと考えてみても、やっぱり経済合理性や効率性というような価値基準には抗い難い。

 便利の追求だけが益の最大化につながるわけではないのは分かったけれど、不便による益を求めようと思っても簡単ではないよね、というのが読書会の中で考えたことですし気づいたことでした。

 ただ、一つ大切な気づきとしては、便利方向だけではなく不便方向にも益があるということです。「不便益」という概念を知らなければ、これからどんどん便利になっていく世の中において、不便による益を失ってしまうかもしれません。しかし知っていれば、あえての不便を選択することもできるはずです。

 参加者の方が話していたことなのですが、おそらく高度成長期は便利の追求は益であり、不便は解消すべき害であるということに異論はなかったのだと思います。しかし、生活に内在する不便がどんどん解消してきた現代においては、なんでも便利になってしまっていいんだっけ、ということに少しずつ気づかれ始めているように思います。あれ、便利すぎると生活にハリがなくなるぞ、というように。

 今回ブックレット作成にご協力いただいた先生は、元々はAIの研究をしていました。「不便益」はその先生の師匠が20年ほど前から提唱し始めた概念です。また、先日お話を伺った「弱いロボット」をコンセプトに研究する先生も同様に、高機能な強いロボットが社会にとって唯一ベストな形なのか、ということに2,30年ほど前から考え始めたと言います。その時感じられ始めていた違和感が、今私たちの目の前に現れ始めているようです。

 さて話が少しそれてしまいましたが、今回のブックレット・読書会は、「不便」からこれからの生活や社会について考えてみるようなものになりました。もしよければ読んでみてください。読書会の開催を希望していただければ再度開催します。

・リベルのブックレット『不便視点』:https://liber.community/inconvenient/
読書会のリクエストなど
・参加者の読書感想:https://note.com/liber_community/n/nb55ffa0e9cb8


〈読書会について〉
 事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。スタンスや日程などについてはこちらをご覧ください。

(吉田)

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